「ダイエットを成功させたいけど、いつも続かない……」
「始めた頃は本気なのに、どうして途中で止めてしまうのだろう?」
ダイエットに失敗した経験がある方は少なくないでしょう。
続かないのは、もしかしたら自分の頑張れる範囲を超えてしまっているのかもしれません。
ダイエットを成功させるためには、自分に合った方法を見つけることが大切です。
今回は、ダイエットが続かない理由やコツ、失敗した経験がある方におすすめしたいダイエット方法についてご紹介します。
1.ダイエットが続かない……今、無理をしていませんか?
ダイエットが続かないと悩んでいる方の特徴で、自分に合っていない方法を実施していることが多くみられます。
次に挙げる内容に当てはまっている場合は、やり方を改善してみましょう。
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1-1.過度な食事制限をしている
過度な食事制限はダイエットに逆効果です。ストレスがたまって挫折したり、一時的に効果が出てもリバウンドするためダイエットが続かない可能性が高くなります。
また、「極端に量を制限する」「特定の食品のみ摂取する」などのダイエットは、体に必要な栄養素が不足して、健康を損なうリスクがあります。
現在、便秘や貧血、月経異常などの症状がある場合は食事制限が原因になっている可能性があるため、ダイエット方法を見直してみましょう。
1-2.高い負荷のかかる運動をしている
負荷の高いスポーツやトレーニングをした後は、しっかりと栄養と休息をとって体を回復させることが大切です。
しかし、ダイエット中で食事制限などをしていると必要な栄養素が摂取できず、疲労感が続いたり、体力が回復できなかったりすることが多くあります。
特に、注意したいのが慢性疲労状態(オーバートレーニング症候群)です。
運動の疲労を十分に回復できない状態が続くと、全身の倦怠感や睡眠障害、集中力の欠如などを引き起こすことがあります[1]。
原因は単なる筋肉疲労だけでなく、精神的ストレスにもよるものと考えられています。
このように、十分に疲労を回復できない状態が続くと軽い運動もつらくなってしまうため、ダイエットが長く続かないことになります。
1-3.睡眠不足が続いている
毎日の仕事が忙しく、あまり眠れていない……という方は多いのではないでしょうか。実は、睡眠不足はダイエットの大敵です。
健康な方でも、寝不足な状態を2日続けただけで食欲を抑えるホルモン(レプチン)の分泌が減り、食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌が増えるといわれています[2]。
また、血糖値をコントロールするインスリンの効果も弱まってしまいます。
血糖値が急激に上がると脂肪を蓄積しやすくなってしまうため、ダイエットには逆効果です。
まずは睡眠時間を記録することから始めてみましょう。
1-4.体重が減らないと落ち込み過ぎている
ダイエットを続けていると、体重が減らなくなる時期があります。これを停滞期といい、ダイエットをしている多くの方に訪れます。
頑張っていた矢先になかなか減らなくなった体重を見ると、落ち込んでしまうかもしれません。
短期間で結果を出そうと考えるほど、モチベーションが下がってダイエットが続かない結果となってしまいます。
しかし、ダイエットは長期間取り組んでやっと効果が得られるものです。
停滞期やモチベーションが下がっているときも、健康的な生活を続けることが大切だと心得ておきましょう。
【関連情報】 変化を感じにくい……。ダイエット中の停滞期を克服する方法を紹介
1-5.完璧主義で一度さぼるとやる気がなくなる
ダイエットを始めるときに決めた目標や、厳しい計画を達成することに執着してはいないでしょうか。
ダイエットには停滞期があるように、毎日順調に体重が減り続けるとは限りません。
体調や気分、環境などによって、食事制限や適度な運動を予定どおりにできない日も必ずあります。
しかし、完璧主義の方は0か100で考えてしまい、自分で決めたことが達成できないと投げ出してしまう傾向があります。
体重が少しでも増えるとやる気がなくなってしまうのは、完璧にこなすことを追い求め過ぎているからかもしれません。
完璧主義な方にとって、体重の増加は大きなストレスになってしまうかもしれません。しかし、ダイエットを成功させたいと思うのであれば、「ほどほど」を継続するのが大切です。
次の項に、ダイエットで「甘えても良いポイント」をご紹介しますので、自分を許しつつ、長い目で見た成果を考えてみてはいかがでしょうか。
2.ダイエットの「甘えても良いポイント」と工夫を覚えよう!
ダイエットを続けるために、甘えても良いポイントと日常でできる工夫を覚えておきましょう。
2-1.食べ過ぎても次の日に調整すればOK!
食べ過ぎたら、次の日にカロリーや栄養のバランスを調整しましょう。
翌日に体重が増えたとしても、ほとんどが水分のせいで脂肪がついたわけではありません。
特に糖分や塩分などは水分を取り込みやすいため、むくみや体重の増加が起こりやすくなります。
食べ過ぎた次の日に心得ておきたい食事のポイントは、「むくみの解消」と、「糖・脂質・たんぱく質の代謝を促す」ことです。
むくみを取るには、納豆やほうれん草、わかめやとろろ昆布などカリウムが豊富な食品がおすすめです。
糖や脂質、たんぱく質の代謝を促すには、ビタミンB群が必要です。
豚肉やうなぎ、玄米などに含まれるビタミンB1、レバーや納豆、卵などに含まれるビタミンB2、レバーやにんにく、かつおやバナナなどに含まれるビタミンB6を積極的に摂りましょう。
2-2.朝食はしっかり食べてOK!
朝食はダイエットにとって重要な役割を果たします。朝食を食べることで、1日の血糖値の急上昇や昼食・夕食での食べ過ぎを防いでくれるのです。
朝食におすすめなのは、卵やチーズ、ロースハムなど、たんぱく質が豊富な食品です。
また、食物繊維の豊富な野菜やきのこ、海藻や、ビタミン・ミネラルの豊富なあさりやしじみ、パプリカなども一緒に摂取すると、栄養バランスが良くなります。
一方で、夕食は軽めにして、脂っこい食事は控えましょう。とくに遅い時間の夕食は要注意です。
22時〜2時頃は脂肪をため込むはたらきをもつBMAL1というたんぱく質が多く分泌されるため、太りやすくなってしまいます。
夕食が遅くなりそうなときは、夕方のおなかがすいた時間に160kcal程度の軽食を摂ると良いでしょう。
そして帰宅後に、野菜サラダや焼き魚など軽めのものを食べれば、急激な空腹を感じることなく満足感が得られます[3]。
2-3.糖質はGI値の低いものを選べばOK!
糖質の過度な制限は疲労感や集中力の減退につながり、ダイエットが続かないことになるので、おすすめできません。
ここで、GI値という指標が役に立ちます。GI値とは、食品が血糖値を上げる速度や高さを示す数値です。
GI値が低い食品は、血糖値を緩やかに上げてくれます。例えば、玄米をはじめとする雑穀類や豆類が挙げられますので、積極的に取り入れてみましょう。
2-4.運動は5分間だけでもOK!
楽だけどちょっときつい程度で、会話ができるくらいの有酸素運動を続けることが、ダイエットには最も効果的です。
ウォーキングやスロージョギングやサイクリングや速歩やエアロビクスダンスなどがあります。
しかし、「長時間続けるとなると辛い……」という方もいますよね。
実は、5〜10分程度の運動でも脂肪は燃焼するといわれています。そのため、短時間でも積み重ねて1日20分を目指しましょう。
時間がない方は、日常生活で工夫するのも一つの手です。
自転車で通勤する、一駅手前で降りて家まで歩く、歩いて買い物に行くなどでも運動量を増やすことができます。
2-5.おやつは低カロリー・高たんぱく・低糖質・食物繊維ならOK!
間食は栄養補給のほか、気分転換や食べ過ぎを防ぐのにも役立ちます。そのため、ダイエット中もおやつをゼロにする必要はありません。
基本的には、低カロリー・高たんぱく・低糖質で、1日の栄養素を補えるものを選びましょう。
おすすめのおやつは、ヨーグルト、プロセスチーズ、りんご、キウイ、マカダミアナッツなどです。
ただし、ケーキやクッキー、チョコレート、スナック菓子などは炭水化物や脂質が多いので、ご褒美として、たまに食べる程度に抑えましょう。
おやつを我慢した結果ダイエットが続かない、なんてことにならないよう、気をつけましょう。
3.ダイエットが続かない人におすすめの方法
最後に、簡単でもしっかりと肥満予防につながるダイエット方法をご紹介します。
「食事制限や毎日の運動はハードルが高い……でもダイエットを成功させたい!」という方は一度試してみてはいかがでしょうか。
3-1.ゆっくりよく噛んで食べる
食事し始めてから、満腹だと感じるまでにはおよそ15〜20分かかるといわれています[4]。
そのため、食事の際はゆっくり噛むことを意識しましょう。ホルモン分泌が促され、適量の食事で満腹感・満足感を得やすくなります。
ひとくち30回は噛むようにしましょう。これはあくまで目安ですが、意識的に噛む回数を増やすことが大切です。
3-2.食べる順番を変える
食べる順番を変えることで、血糖値の急激な上昇を抑えられます。
基本的には、「食物繊維」→「たんぱく質」→「炭水化物」の順番を心掛けましょう。
食物繊維は栄養の吸収速度を緩やかにして、血糖値の上昇を抑えるはたらきがあります。
低カロリーで噛み応えのある食材が多いため、満腹感を得るのにも効果的です。
次に食べるたんぱく質を含む食材とあわせてよく噛んで食べることで、炭水化物の摂取量を抑えることもできるでしょう。
3-3.調理方法を工夫する
調理方法を工夫するだけでも、脂質の摂取量を減らせます。「揚げる、炒める」よりも「蒸す、煮る」で調理できるレシピを選びましょう。
油を使う場合は、オリーブ油やキャノーラ油などの植物油がおすすめです。
不飽和脂肪酸が多く含まれていますので、コレステロール値を下げる効果が期待できます。
また、肉を調理する際は脂身や皮を取り除き、調理前に下茹でや湯通しをしましょう。余分な脂質を減らせるので、肥満予防につながります[5]。
塩分を含まない調味料を活用することも大切です。
塩分を取り過ぎると、むくみの原因になるだけでなく、食欲を過度に増進する作用もあります。
そのため、肥満予防には減塩を意識することが非常に大切です。
しかし、普段の食事から無理に塩分を減らそうとすると、食事の味を損なってしまいますよね。
食事がおいしく感じられないと、ダイエットが続かない要因にもなります。
そこで、塩分を含まないお酢や香辛料、だしなどの調味料を活用しましょう。これらを活用して調理するだけでも、塩分を控えられます。
4.ダイエットを続けるためについてのまとめ
ダイエットが続かないと悩んでいる方は多いと思います。
特に厳しい食事制限や激しい運動をしようとすると、「つらい」「やめたい」と感じてしまいます。
ダイエットを成功させるには、「ほどほどに」を長く継続することが大切です。決して無理をする必要はありません。
「甘えても良い」ポイントを知り、自分が楽しいと思える範囲で続けてみてください。
この記事の監修者
おだかクリニック
副院長
【経歴】
総合病院・大学病院での勤務を経て、2018年よりおだかクリニックの副院長として診療・経営にあたる。専門の循環器疾患(虚血性心疾患、心不全、不整脈など)はもちろんのこと、高血圧や高脂血症、糖尿病等の生活習慣病や内科疾患全般の診療に従事。現在は、医療コンサルト・アドバイザー業務や、ライティング業務などにもあたっている。
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