「簡単で効果的なダイエット方法はないのかな」
「痩せたいけれど無理して体調を崩すのも嫌だな……」
ダイエットのために努力をするのは大変だし、できることなら早く簡単に痩せたいですよね。
しかし無理をするとせっかく痩せてもリバウンドしたり、健康に悪影響を及ぼしたりするかもしれません。
ダイエットをするときは、体に負担の少ない方法を選ぶことも大切です。
この記事では無理なく健康的にダイエットできる方法や、注意したいダイエット方法などについて解説します。
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1.簡単に痩せられるダイエット方法はある?
「簡単に痩せられる方法があれば良いのに……」
「できるだけ早くダイエットできる方法はないかな」
痩せたいけれどなかなかダイエットがうまくいかない、効果が簡単に出る方法を知りたいという方は多いのではないでしょうか。
楽な方法ですぐに痩せることができたらうれしいですよね。
手軽ですぐ痩せるダ方法といえば、食事制限などが思い付くかもしれません。
しかし極端な食事制限を行うとリバウンドしやすい体質になったり、体調を崩したりしてしまう恐れがあります。
健康的にダイエットをするためにはただ体重を減らせば良いわけではなく、余分な体脂肪を落として体重を減らすことが重要です。
せっかく体重が減ったのにすぐ元に戻ったり、体脂肪は落ちずに筋肉量が落ちてしまったりしては意味がありませんよね。
ダイエットは、減量後もその体重を維持することができて初めて成功したといえるものです。
健康にリスクがなく、手軽ですぐに効果が得られる方法はないといってしまっても良いでしょう。
「じゃあ健康を維持したまま痩せるためにはどうしたら良いの?」
と悩んでしまいますよね。
ここからは、その方法について具体的に解説していきます。
2.まずは自分のことを見直そう
本格的にダイエット始める前に、自分に合った体重や必要なカロリーを知りましょう。
そうすることで、目標を決めたり、体調不良を防いだりするのに役立ちます。
具体的なダイエット方法を解説する前に、まずはご自身の体型や健康について確認しておくべきポイントを解説していきます。
2-1.自分に合った健康的な体重を知ろう
手始めに自分が目指すべき健康的な体重について確認しましょう。
そもそもダイエットをする必要があるかどうかや、するとしたらどのくらいの体重を目標にしたら良いかを知っておくことで、健康を損ねるリスクを減らすことができます。
これらを判断するために役立つのが「BMI」という指標です。
日本肥満学会では、肥満度を判定する基準として18.5未満を「低体重(やせ)」、18.5以上25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」としています*1。
低体重や普通体重に当てはまる方は、無理にダイエットをする必要はありません。
特に若い女性はBMIが18.5を下回る人が他の年代よりも多く、必要以上にダイエットをしようとする傾向にあるといわれています*2。
まずはご自身のBMIがどれくらいかを把握し、本当にした方が良いのかどうか確認してみましょう。
「体重は標準の範囲内かもしれないけど、体型がやっぱり気になる……」
体型を整えるためにダイエットをしたいと考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのような場合は、BMIだけでなく体脂肪率もチェックしてみましょう。
体脂肪率は体重に対して脂肪の重さがどのくらい占めているかを表したもので、成人女性は30%、成人男性は25%を超えたら体脂肪が増加した状態だといわれています*3。
体重が標準の範囲内なのであれば、体重そのものを減らすのではなく体脂肪率を減らすことに目を向けると良いでしょう。
*1 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI」
*2 厚生労働省 e-ヘルスネット「若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題」
*3 厚生労働省 e-ヘルスネット「体脂肪計」
2-2.自分に必要なカロリーを把握しよう
「ダイエットのためにはカロリーを減らさなきゃ」
とにかく摂取カロリーを抑えて手軽に体重を減らしたいと考えている方もなかにはいらっしゃるかもしれません。
しかしカロリーは私たちが生きていくために必要なもので、むやみに減らし過ぎると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
健康を維持するためには自分にどのくらいのカロリーが必要なのかを把握した上で、食事内容の改善に取り組むようにしましょう。
自分にとって必要な1日のカロリーは、ご自身の身長に対する「標準体重」である場合に必要なカロリーを参考にすると良いでしょう。
BMIが22になる体重が標準体重と呼ばれるもので、統計上もっとも病気になりにくいとされています。
標準体重は[ご自身の身長(m)の二乗]×22で算出することができます。
これをもとに、必要なカロリーを計算してみましょう。
厚生労働省がまとめた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、体重1kg当たりの推定エネルギー必要量として以下のような数値が公表されています。
【体重当たりの推定エネルギー必要量(kcal/kg 体重/日)(kcal /日)】
<男性>
身体活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(普通) | Ⅲ(高い) |
---|---|---|---|
18〜29歳 | 35.5 | 41.5 | 47.4 |
30〜49歳 | 33.7 | 39.3 | 44.9 |
50〜64歳 | 32.7 | 38.2 | 43.6 |
65〜74歳 | 31.3 | 36.7 | 42.1 |
75歳以上 | 30.1 | 35.5 | - |
<女性>
身体活動レベル | Ⅰ(低い) | Ⅱ(普通) | Ⅲ(高い) |
---|---|---|---|
18〜29歳 | 33.2 | 38.7 | 44.2 |
30〜49歳 | 32.9 | 38.4 | 43.9 |
50〜64歳 | 31.1 | 36.2 | 41.4 |
65〜74歳 | 30.0 | 35.2 | 40.4 |
75歳以上 | 29.0 | 34.2 | - |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成
例えば運動習慣がなく、在宅勤務をしている身長160cmの25歳の女性を例にとって計算してみましょう。
まずは標準体重を計算すると、
1.6mの二乗×22=56.32kg
になりますね。
これに身体活動レベルⅠに当てはまる体重1kg当たりの推定必要カロリーを掛け合わせると、
56.32×33.2=1,869.824
となります。
同じように計算してみて、ご自身に必要なカロリーはどのくらいかを把握してみましょう。
普段摂取しているカロリーが上記の計算から求められる数値を超えている場合は、摂取カロリーを調整してみてくださいね。
3.効果的なダイエット方法とは?
ダイエットを効果的に進めるためには、普段の生活習慣を見直すことが重要です。
残念ながら、簡単ですぐに効果が出る魔法のような方法はありません。
しかし日々の生活習慣を地道に改善していくことで、健康的にダイエットの効果を上げることができるのです。
ここからは、痩せるために気を付けたい食事や運動、睡眠の方法について説明していきます。
【関連情報】 「簡単ダイエット!日々の生活で実践できる8つの工夫」についての記事はこちら
3-1.ダイエット方法 食事
健康的にダイエットを行う方法の一つは、毎日の食事を見直すことです。
極端に量を減らしたり栄養が偏っていたりすると体調を崩してしまうかもしれません。
ここからは健康的にダイエットをするための5つの方法について説明します。
3-1-1.栄養・カロリーのバランスを整える
体重を減らすためには消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があり、どんな方法を試しても食べ過ぎれば痩せることはできません。
摂取カロリーと消費カロリーを見直すことは、ダイエット方法の中でも最も基本的なことといえます。
しかし極端な食事制限などで摂取カロリーを減らすと必要な栄養素が足りなくなって、健康に悪影響を及ぼしてしまう恐れがあります。
普段の食生活を振り返って、摂取カロリーが1日に必要なカロリーを超えていないか、栄養バランスは偏っていないかを確認してみてください。
特定の食品を抜いたりせず、主食や主菜、副菜をそろえた食事を摂るようにしましょう。
カロリー源となる栄養素の中でも、特に意識したいのはたんぱく質です。
たんぱく質は体を構成する要素として重要な栄養素で、運動で筋力をつけるためにも必要となります。
たんぱく質は肉類や魚類、卵、牛乳・乳製品、豆類などに含まれているため、さまざまな食品を工夫して取り入れるようにしましょう。
厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」では、毎日の食事バランスを整えるポイントが紹介されています。量や食材などが分かりやすく提示されているので、参考にしてみてくださいね。
3-1-2.間食を控える
仕事や家事の合間に食べるお菓子が日々の癒しやストレス発散になっているという方もいらっしゃるでしょう。
間食で摂取するカロリーは一般的に200kcalほどが適量だといわれていますが*4、1日に必要な摂取カロリーを上回らないよう食事内容に合わせて調節してください。
ケーキやチョコレートなどの洋菓子は炭水化物や脂質が多く高カロリーなため、ダイエット中は避けるか量を減らすのがベターです。
間食を摂るなら、不足しがちな栄養素が摂取できるものを選ぶと良いでしょう。
例えばカルシウムが含まれる乳製品や、ビタミン・食物繊維を多く含む果物などがおすすめですよ。
*4 厚生労働省 e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」
3-1-3.朝食を抜かない
「朝は忙しいし、カロリーも抑えたいから食べるのをやめておこう」
と朝食を抜きがちな方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、朝食を抜くことはダイエットをする上では逆効果だと考えられます。
「体内時計」という語を見聞きしたことがある方も多くいらっしゃるでしょう。
ヒトの体は地球の自転に同調し、ほぼ24時間の周期で体内環境を変化させる機能を備えています。
体内時計により脂肪の分解や合成に関わるホルモンの分泌量が変動する影響で、午前中は体脂肪を分解しやすく、午後は反対に体脂肪を合成しやすくなるといわれているのです。
朝食を抜くとおなかが空いてその後の食事の量が増えてしまいがちですよね。
また食後にはカロリー消費が増大する「食事誘発性熱産生(DIT)」という現象がありますが、午後よりも午前の方がこのDITで消費されるカロリーは多くなるといわれています。
さらに1日の摂取カロリーが同じであったとしても、朝食で摂取したカロリーは1日の活動で消費されるためダイエットにつながりやすいと考えられます。
朝ごはんを抜くより、朝はしっかりと食べておき、昼や夜の食事を節制した方が高い効果が期待できそうですね。
食事は3食規則正しく、カロリーは朝:昼:夜=3:4:3の比率で摂取するのが理想的だとされています*5。
食事から摂取したカロリーを運動などで消費しやすくするためにも、朝食はしっかりと摂るように心掛けましょう。
*5 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「脂質異常症治療の食事レシピ」
3-1-4.21時以降に食事は摂らない
「夜遅くに食事を摂ると太りやすくなる」
と聞いたことがあるもいらっしゃるでしょう。
その理由の一つは「BMAL1」という脂肪をため込むはたらきを持つたんぱく質が夜に多く分泌されるということです*6。
特に22時以降に多く分泌されるため、遅い時間に摂取した食事は体脂肪になりやすいとされているのです。
また昼食から夕食までの時間が長くなると空腹感から食べ過ぎてしまったり、翌朝までに消化しきれず朝食が食べられなくなって昼食を食べ過ぎたりしてしまいます。
BMAL1の分泌量や消化吸収のことを考慮すると、できる限り21時以降の食事は避けた方が良いでしょう*6。
仕事の都合などでどうしても遅くなってしまう場合は、夕方ごろにおにぎりやサンドイッチなどの軽食を摂取し、夕食を軽めにするのがおすすめです。
*6 独立行政法人 労働者健康安全機構 北海道中央労災病院 治療就労両立支援センター「ちょっとした食事のはなし」
3-1-5.よく噛んで食べる
食事中によく噛むことも、ダイエットのポイントの一つです。
しっかりと噛むと脳にある咀嚼(そしゃく)中枢から「神経ヒスタミン」が分泌されて満腹中枢を刺激するため、満腹感が増して食べ過ぎを防ぐことができます。
さらに神経ヒスタミンの分泌量が増えると交感神経の中枢も刺激され、脂肪の燃焼にもはたらきかけるとされています。
ダイエットを成功させるためには、よく噛むことが重要なのですね。
仕事や家事で忙しく、ついつい早食いになってしまいがちな方もいらっしゃるかもしれません。
しかし早食いの方は噛む回数が少なく、肥満のリスクも高いといわれています 。
食事時間をきちんと確保し、ゆっくりよく噛んで食べることを心掛けましょう。
3-2.ダイエット方法 運動
ダイエットをするためには、摂取カロリーを減らすだけではなく適度な運動で消費カロリーを増やすことも重要です。
方法としては有酸素運動と無酸素運動の2種類があります。
有酸素運動とはウォーキングやジョギングなどの比較的負荷が軽い運動のことで、カロリーを使うときに酸素も一緒に使うためこのように呼ばれます。
有酸素運動は血液中の糖や脂肪を燃料とするため、消費カロリーを増やすだけでなく体脂肪を減らす効果も期待できます。
無酸素運動は筋トレや短距離走など短時間で強い負荷がかかる運動のことを指し、酸素を使わずにカロリーを消費します。
そのなかでも特にダイエット方法としておすすめなのは筋トレです。
筋トレそのものには脂肪燃焼効果はないものの、継続することで筋肉量を増やして基礎代謝を高めることが可能です。
さらに筋トレを行うと成長ホルモンが分泌され、中性脂肪の分解も促されます。
体脂肪を燃焼させるだけでなくリバウンドしにくい体を作るためには、有酸素運動と筋トレを組み合わせて行うのが効果的といえるでしょう。
「運動が重要なのは分かるけれど時間がないし、慣れないからハードルが高い……」
このようにお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんね。
運動をするのが大変と感じるのであれば、まずは少しでも体を動かすよう工夫してみましょう。
ある調査では肥満の人はそうでない人よりも、1日の活動時間のうち立位での活動時間が約150分短いと報告されています*7。
つまり肥満を予防するためには、いかに座っている時間を短くするかがポイントなのですね。
隙間時間で家事や簡単な体操をしたり、移動はエスカレーターではなく階段を使ったりと、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
*7 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動とエネルギー代謝」
3-3.ダイエット方法 睡眠
良質な睡眠を取ることもダイエットを成功させる上で重要です。
摂取カロリーや消費カロリーとは関係がないように思われるかもしれませんが、睡眠時間が短くなるとダイエットに悪影響がおよぶ可能性があります。
健康な方であっても十分に睡眠を取った日と比べると、4時間程度の寝不足の日が2日間続くだけで、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌量が減少し、食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌量は増えることが報告されています*8。
寝不足の日が続くと、食欲が進んで食べ過ぎてしまうことが考えられるのですね。
ダイエットをより効果的にするためには、食事や運動と合わせて睡眠時間の確保も意識するようにしましょう。
*8 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」
4.こんなダイエット方法には注意しよう
「糖質制限とかよく聞くダイエット方法は出てこなかったけど、効果がないのかな?」
と疑問に思った方もいるかもしれませんね。
実は、よく見聞きするダイエット方法のなかには健康にリスクがある方法もあるのです。
ここからは、注意したいダイエット方法について詳しく説明していきます。
4-1.食事制限・偏った食品のみの摂取をする
ダイエットをするためには消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態にする必要があります。
しかし、食事を抜く、量を極端に減らすなどの食事制限や、偏った食品のみを摂取するダイエット方法は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
一時的に体重を減らすことはできるかもしれませんが、鉄分不足による貧血や月経異常、食物繊維不足による便秘などを引き起こすリスクもあります。
あまりに痩せたい思いが強くなると、摂食障害を起こして低血圧や不整脈、無月経などに陥ってしまうかもしれません。
体重が減ったとしても、健康を害してしまったら意味がありませんよね。
適切な摂取カロリーを意識して、栄養素が不足しないよう心掛けましょう。
4-2.健康食品・薬にだけ頼る
「カロリーカット」や「脂肪燃焼」などダイエット効果をうたった健康食品が多数販売されています。
これらの健康食品を摂取すれば簡単に痩せられるのかというと、そうではありません。
市販されている健康食品にはさまざまな成分が含まれていますが、ダイエット効果が科学的に認められているものはほとんどないと考えた方が良いでしょう。
体脂肪や内臓脂肪の減少効果をうたう「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」などの商品もありますが、これを摂取していれば必ず痩せられるというものではありません。
健康食品を利用するのであれば、生活習慣を見直すきっかけとして取り入れてみると良いでしょう。
また近年では海外の健康食品や医薬品を個人輸入で入手することも可能になりましたが、日本では認可されていない成分を含んでいることがあります。
安全性に関する情報が少なく副作用が起きるリスクもあるため、安易に使用しないようにしましょう。
国内でも肥満症の治療薬は販売されていますが、健康障害を伴うなど病的な状態に限って病院で処方されるものです。
その場合においても食事や運動など生活習慣の見直しは必須となります。
健康食品や薬の使用だけで簡単に痩せる、ということはできないのですね。
5.手軽で効果的なダイエット方法 まとめ
残念ながら、簡単に効果が得られて体にも無理のないダイエット方法は存在していないといえるでしょう。
ダイエットの基本は摂取カロリーよりも多くのカロリーを消費することです。
遠回りに思われるかもしれませんが、食事や運動、睡眠など毎日の生活習慣を見直すことが最も確実で健康的なダイエット方法だといえるでしょう。
食事の内容や食べ方を工夫したり、通勤時に歩く距離を増やしたりなど、手軽に取り組める方法はあります。
この記事でご紹介した内容も参考にして、できることから始めてみてくださいね。