「スクワットは痩せるって聞いたけど本当かな?」
「痩せるためにはどんな運動をしたら良いんだろう?」
ダイエットを検討していてこのように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スクワットはしゃがみ込んで立ち上がる動作を繰り返し行う運動で、下半身全体を満遍なく鍛えることのできる筋トレメニューの一つです。
スクワットではお尻や太ももの筋肉だけでなく、腹筋や背筋を鍛えることもできます。
多くの筋肉を鍛えられるスクワットは効率の良いトレーニングだといえるでしょう。
この記事ではダイエットを検討している方に向けてスクワットの効果や消費カロリー、ダイエットのコツをご紹介します。
スクワットと共に行うことでより効果を高められる運動もご紹介しているので、ぜひこの記事を理想の体形を目指すために役立ててくださいね。
1.スクワットは痩せる?
「スクワットはダイエット効果が高いと聞いたけれど本当かな?」
このように気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スクワットでは太ももの表、裏、お尻といった下半身の筋肉を全体的に鍛えられる筋トレの一種です。
また腹筋や背筋を鍛えることもできるといわれています。
実は、筋トレを含む無酸素運動には直接的な体脂肪の燃焼効果はなく、体脂肪を燃やすことを目的とするのならば有酸素運動の方が有効であるといわれています。
短い時間に大きな力を発揮する短距離走や筋トレなどの運動は、筋肉を動かすエネルギーをつくる際に酸素を消費しないため無酸素運動と呼ばれます。
一方、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクスダンスなど、筋肉への負荷が比較的軽い運動は、筋肉を動かすエネルギー源として脂肪と血糖と共に酸素を消費するため、有酸素運動と呼ばれます。
有酸素運動が脂肪を燃料とするのに対し、無酸素運動では脂肪を直接的なエネルギー源としないため、直接的な体脂肪の燃焼効果はないといえるのです。
しかし、筋トレもダイエットには有効です。
さまざまな筋肉を鍛えられるスクワットは、筋トレのなかでもダイエット効果が高い運動だと考えられます。
ここでは、スクワットに高いダイエット効果があると考えられる理由を2点お伝えしましょう。
1-1.消費カロリーが大きい
「できるだけ効率良くカロリーを消費したい!」
ダイエットをするに当たって、このようにお考えの方は多くいらっしゃることでしょう。
多くの筋肉を鍛えられるスクワットは筋トレのなかでも消費カロリーが大きいといえます。
運動による消費カロリーは運動の強度と継続時間、体重によって異なります。
スクワットを3分間行うことによる消費カロリーを、体重40kgから90kgまで10kg刻みでご紹介しましょう。
【体重別・スクワットの3分間当たりの体重別消費カロリー】
体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
---|---|---|---|---|---|---|
消費カロリー | 10.5kcal | 13.1kcal | 15.8kcal | 18.4kcal | 21kcal | 23.6kcal |
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
これだけではスクワットの消費カロリーが多いのかあまりピンとこないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで他の代表的な筋トレの消費カロリーをご紹介しましょう。
いわゆる腕立て伏せを「ほどほどの労力」で行った場合の消費カロリーは以下のとおりです。
【体重別・腕立て伏せの3分間当たりの体重別消費カロリー】
体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
---|---|---|---|---|---|---|
消費カロリー | 8.0kcal | 10.0kcal | 12.0kcal | 14.0kcal | 16.0kcal | 18.0kcal |
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
また、腹筋運動を「ほどほどの労力」で行った場合も、消費カロリーは腕立て伏せと同じです。
【体重別・腹筋運動の3分間当たりの体重別消費カロリー】
体重 | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg |
---|---|---|---|---|---|---|
消費カロリー | 8.0kcal | 10.0kcal | 12.0kcal | 14.0kcal | 16.0kcal | 18.0kcal |
国立健康・栄養研究所「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」をもとに執筆者作成
このようにスクワットの消費カロリーは器具を使わない筋トレのなかでは比較的大きいことが分かります。
スクワットは短時間でより多くのカロリーを消費したいという場合に適した運動であるといえますね。
1-2.基礎代謝の向上につながる
ダイエットで筋トレを行う最大の意義は基礎代謝の向上であるといえるでしょう。
基礎代謝は体格、なかでも筋肉を含む除脂肪量(脂肪を除いた組織の量)の影響を受けます。
筋肉が増えれば、それに伴って基礎代謝量が向上するのです。
基礎代謝量が増えれば、その分安静にしているときに消費されるカロリーが増えます。
また筋肉を付けることはダイエット後のリバウンド防止にも役立つといわれています。
つまり筋トレを行うことは太りにくい体づくりにつながるといえるのですね。
2.スクワットのその他の効果
「スクワットにはダイエット以外の効果もあるのかな?」
このように気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。
スクワットにはカロリーを消費し基礎代謝を向上させる以外にもいくつかの効果があるといえます。
ここでは、ダイエット以外のスクワットの効果をご紹介しましょう。
2-1.ヒップアップ
スクワットではお尻を含む下半身の筋肉を全体的に鍛えることができます。
このためスクワットはヒップアップに効果的だといわれています。
キュッと引き締まったお尻に憧れたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スクワットではお尻を鍛えられるのに加え、体の使い方を学ぶこともできます。
スクワットのように立ったりしゃがんだりする動作は日常生活でも多く行いますよね。
椅子に座ったり椅子から立ち上がったり、階段を上り下りしたり、さまざまな動作に立ったりしゃがんだりする要素が含まれています。
スクワットでお尻を鍛えると、日常生活でもお尻の筋肉を使う機会が増え、お尻の筋肉が付いてヒップアップにつながると考えられるのです。
2-2.姿勢改善
スクワットでは太ももなどの下半身の筋肉に加え、おなかや背中の筋肉も鍛えられます。
太ももや体幹の筋肉を鍛えることは、姿勢や腰痛、肩こりの改善につながるといわれています。
おなかや背中の筋肉は体幹の筋肉に当たります。
つまりこれらの筋肉を鍛えられるスクワットは、姿勢の改善効果が得られるトレーニングであると考えられるのですね。
体幹とは頭と手足を除いた胴体のことです。
体幹のトレーニングについては以下の記事でご紹介しています。
体幹とは?体幹を鍛えるメリットと効果的なトレーニング方法を解説!
3.スクワットのやり方
「スクワットの正しいフォームが知りたいな」
このように思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スクワットの効果を存分に得るためには、正しいやり方で行うことが重要です。
またスクワットにはよく似たトレーニングが何種類かあります。
ここでは、基本的なスクワットと類似するトレーニングのやり方をご紹介しましょう。
なお、筋トレは10〜15回程度繰り返し、それを1セットとして1〜3セット、無理のない範囲で行うことが推奨されています[2]。
3-1.スクワット
スクワットを行う際はまず、両足を肩幅程度に開き、爪先がやや外向きになるように立ちます。
このとき、膝は爪先と同じ方向を向くようにしましょう。
次に椅子に座るイメージで、お尻を後ろに引きながらゆっくりと膝を曲げて腰を落としていきます。
おなかに力を入れ、背中は真っすぐに伸ばした状態をキープするよう心掛けましょう。
膝を90度くらいまで曲げたらゆっくりと元の体勢に戻ります。
これを繰り返しましょう。
スクワットを行っている間は、膝が爪先よりも前に出ないように意識しましょう。
なお、スクワットは体勢によっては関節を痛めてしまう原因になります。
不安のある方は椅子の背もたれで体を支えたり、椅子に座って立ち上がる動作を繰り返す「椅子スクワット」を行ったりといった工夫をしてみましょう。
3-2.ワイド・スクワット
ワイド・スクワットは脚を大きく開いて行うスクワットの一種です。
ワイド・スクワットでは、太ももの外側やお尻に加え、内ももの筋肉も鍛えることができます。
ワイド・スクワットを行う際はまず、両足を肩幅よりも大きく開き、胸を張って背筋を伸ばした状態で立ちます。
次に膝が爪先より前に出てしまわないよう注意しながらお尻を後ろに突き出し、太ももが床と並行になるまでしゃがみましょう。
立ち上がるときは反動を使わず、しゃがんだときと同じ軌道で立ち上がり、最初の姿勢に戻ります。
この動作を繰り返しましょう。
膝が爪先より前に出てしまうと、筋肉ではなく膝の関節で体が支えられる形になり、けがを招いてしまう恐れがあるので注意してください。
また背中が丸まらないよう、目線は正面かやや上を見るように意識しましょう。
3-3.ハーフ・スクワット
ハーフ・スクワットは有酸素運動としての側面も強いトレーニングです。
ハーフ・スクワットでは通常のスクワットよりも浅く中腰程度までしかしゃがまないので、負荷が軽く、筋肉が少ない方でも行いやすいといえます。
ハーフ・スクワットを行う際はまず、両足を肩幅程度に開き、爪先を少し外側に向けて立ちます。
続いて膝の角度が直角になるまでゆっくりと腰を落としましょう。
最後に膝が伸び切らないところまで、ゆっくりと膝を伸ばします。
ハーフ・スクワットは早く行うよりも、1回1回の動作をゆっくり行うことを意識してください。
3-4.ランジ
ランジは太もも全体の引き締めに効果のあるトレーニングです。
スクワットよりもお尻の筋肉が多く使われるトレーニングメニューなので、ヒップアップ効果も期待できます。
ランジを行う際は両足を拳一つ分開いて立ち、爪先は正面を向けます。
手は胸の前で軽く組んでおきましょう。
その姿勢から片足を大きく前に出し、同時にお尻を下ろすようにして膝を曲げます。
膝が直角になるまでしっかりと曲げたら、少しずつ両足を伸ばし元の姿勢に戻りましょう。
3-5.サイド・ランジ
サイド・ランジは片膝を曲げて腰を落とす、横方向の屈伸トレーニングです。
サイド・ランジではお尻や太ももに加え、内ももの筋肉も鍛えられます。
サイド・ランジではまず脚を多く開き、胸を張って背筋を伸ばして構えます。
次に一方の膝を曲げ、その脚に体重を乗せるようにしてしゃがみます。
曲げた脚の太ももが床と並行になるまでしゃがんだら、かかとに力を入れながら伸ばしたままの方の脚で体を引き寄せるようにして立ち上がります。
左右を入れ替え同様の動きを行ってワンセットとし、これを繰り返します。
サイド・ランジを行う際は上半身を前に倒さないこと、反動を使わないことがポイントです。
また爪先と膝は同じ方向に向いていないと膝の関節を痛める恐れがあるので注意しましょう。
4.ダイエットのコツ
「ダイエットを成功させるためにはどんなことに気を付けたら良いんだろう?」
このように疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダイエットを成功させるためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、ダイエットを成功させるためのコツをお伝えしましょう。
コツ1 食事を改善する
ダイエットを成功させる上で、食事の改善は欠かせません。
ダイエットの基本は食事などで摂取するカロリー(エネルギー)よりも運動などで消費するカロリーを大きくすることにあります。
ダイエットのために運動が必要だといわれるのも、消費カロリーを増やすためなのですね。
運動を行うと同時に食事を改善し、摂取カロリーを適切に制限することでさらに効率良くダイエットを進められると考えられます。
ただし極端なカロリー制限にも注意が必要です。
極端なカロリー制限を行うと体重は一時的に減少するものの、体に必要な栄養素が不足しさまざまな不調を引き起こしたり、リバウンドを招いたりする恐れがあります。
自分に合った適切なカロリーを摂取するようにしましょう。
1日に必要なカロリーについては以下の記事で解説しています。
1日に必要なカロリーって?計算方法と健康を保つポイントを解説!
また筋肉の材料となるたんぱく質や、糖質・脂質を吸着し体外に排出してくれる食物繊維を十分に摂取することなども、ダイエットを成功させる上では重要です。
たんぱく質についてや食物繊維については以下の記事でご紹介しているのでご確認くださいね。
たんぱく質とは?体内でのはたらきや食事摂取基準、豊富な食品を紹介
食物繊維にはどんな効果がある?含まれる食品や効率的な食べ方のコツ
コツ2 有酸素運動を行う
ダイエットのためには、スクワットなどの筋トレだけでなく有酸素運動も行うようにしましょう。
有酸素運動では筋肉を動かすエネルギー源として体内の脂肪を消費するため、直接的な体脂肪の燃焼効果があります。
有酸素運動の代表例としては、ウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、アクアビクス、水中ウォーキング、エアロビクスダンスなどが挙げられます。
これらの運動を筋トレと併せて行ってくださいね。
コツ3 筋トレは毎日行わない
「これから毎日スクワットをやってみよう」
このようにお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、筋トレは毎日ではなく、2〜3日に1回程度の実施が勧められています[3]。
筋トレを行うと、筋肉を構成している筋繊維の一部が傷つけられます。
傷つけられた筋繊維は回復する際に元よりも少しだけ太くなります。
このメカニズムを「超回復」と呼び、筋トレはこれを繰り返すことで筋肉を太くさせ、筋力を向上させる運動です。
筋肉の回復には2〜3日かかるといわれており、回復期間はトレーニングを行わず、筋肉を休ませることが勧められます[3]。
筋トレは無理のない範囲で、継続的に行うことを心掛けましょう。
5.スクワットで痩せるためのまとめ
スクワットは太ももの表や裏、お尻といった下半身を満遍なく鍛えることのできる筋トレの一種です。
またおなかや背中の筋肉を鍛えるのにも有効だといわれています。
さまざまな筋肉を使うスクワットは他の筋トレに比べ消費カロリーが大きく、基礎代謝を向上させる効果があります。
痩せるために筋トレを考えている方にはおすすめのトレーニングだといえるでしょう。
スクワットの他に、似たトレーニングとしてワイド・スクワットやハーフ・スクワット、フロント・ランジ、サイド・ランジなどがあります。
トレーニングは正しいフォームで行うことが重要なので、この記事でご紹介したやり方を参考にこれらのトレーニングを取り入れてみてくださいね。
またダイエットのためには食事を改善すること、有酸素運動を行うことも重要です。
筋トレは毎日行わず、2〜3日に1回にとどめた方が良いことも覚えておきましょう[4]。