中性脂肪(トリグリセリド)とは?体内でのはたらきや基準値を解説

2024年11月12日

2025年04月18日

「中性脂肪って何の役に立つんだろう?」

「太り気味だから中性脂肪をできるだけ減らしたい……」

中性脂肪が肥満の原因だと知っていても、詳しいはたらきや健康への影響までは知らないという方もいらっしゃるでしょう。

中性脂肪は体内の脂質の大部分を占める物質で、肉や魚、食用油などの食品にも含まれています

この記事では、中性脂肪のはたらきや健康への影響などについて解説しています。

中性脂肪が増え過ぎた場合の改善方法もご紹介するので、健康を保つためにもぜひ取り組んでくださいね。

1.中性脂肪とは

お腹のにくをつまむ人

「中性脂肪ってなんだろう?」

「中性脂肪って他の脂肪とは何が違うのかな」

中性脂肪は体脂肪の大部分を占める脂肪のことで、体の大切なエネルギー源の一つです。

血中にも溶け込んでおり、血液検査の項目としての印象が強い方も多くいらっしゃるかもしれませんね。

また、中性脂肪は肉や魚といった食品にも含まれています。

摂取し過ぎると蓄積して肥満や「生活習慣病」を招きます

生活習慣病とは
食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が発症や進行の原因となる疾患の総称です。

この章では、中性脂肪の特徴や性質、体内でのはたらきについて解説します。

1-1.中性脂肪の特徴や性質

中性脂肪(トリグリセリド)は脂質の一種で、中性を示すことからこのように呼ばれています。

体内の脂質の大部分を占めており、単に脂肪と呼ばれることもあります。

中性脂肪は三つの脂肪酸が「グリセリン」という物質に結合した構造の物質です。

脂肪酸とは
脂質の主要な構成要素で、炭素と水素、酸素からできています。脂肪酸は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられます。

脂肪酸には多くの種類があるため、構成する脂肪酸の種類や組み合わせによって多様な中性脂肪が存在します。

脂肪酸は種類にかかわらず高エネルギーであるため、摂取量に気を付ける必要があります

次に中性脂肪の体内でのはたらきについて解説します。

1-2.中性脂肪の体内でのはたらき

中性脂肪は、以下のような多くのはたらきを担っています。

【中性脂肪のはたらき】

  • ヒトの生命維持や活動のエネルギー源となる
  • 脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の吸収を促す
  • 体温を保持し、寒さから体を保護する
  • 内臓が損傷しないよう外部の衝撃から守る
  • 臓器を一定の位置に保つ

エネルギー源や体の保護などの役割以外にも「脂溶性ビタミン」の吸収のサポートもしています。

脂溶性ビタミンとは
水に溶けない性質を持つビタミンで、身体機能を保つはたらきがあります。主に脂肪組織や肝臓に貯蔵されます。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが該当します。

また体内で十分に合成できない「必須脂肪酸」を吸収する際にも欠かすことができません。

中性脂肪は体にとって必要不可欠ですが、多過ぎても少な過ぎても健康に影響を及ぼす可能性があります

次の章では、中性脂肪が多い場合と少ない場合の影響について解説します。

2.体内の中性脂肪が多い場合と少ない場合の悪影響

胸をおさえるスーツの男性

「中性脂肪が多かったり少なかったりすると、何が起こるのかな?」

中性脂肪の量が体にどのような影響があるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

中性脂肪が多過ぎると肥満や脂質異常症を招いたり、少な過ぎると必要な栄養素が体内で吸収されたりしない恐れがあります。

この章では、中性脂肪が多い場合と少ない場合に分けて解説します。

2-1.中性脂肪が多い場合の悪影響

中性脂肪が増え過ぎると肥満や脂質異常症の原因となり、生活習慣のリスクを高めます

中性脂肪は大切なエネルギー源である一方、摂り過ぎると体脂肪として蓄えられます。

体脂肪が過剰に増えると肥満になり、生活習慣病を発症するリスクが高まります。

ただし脂質だけでなく、炭水化物(糖質)やたんぱく質も摂り過ぎると中性脂肪に合成されて体脂肪になるため注意が必要です。

肥満については、以下の記事で解説しています。

肥満とは?判定基準や原因・健康への悪影響・体脂肪の減らし方を解説

また、中性脂肪は体脂肪として蓄積するだけでなく「血中脂質」として血液中にも溶け込んでいます

メモ
血中脂質には中性脂肪以外にもLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やHDLコレステロール(善玉コレステロール)があります。

血中脂質の量が基準値から外れた状態を「脂質異常症」といいます。

脂質異常症については、以下の記事で解説しています。

脂質異常症とは?発症の原因や健康への影響、改善のポイントも解説!

脂質異常症のなかで中性脂肪が多い状態は「高トリグリセライド血症」と呼ばれ、「動脈硬化」を進行させます。

動脈硬化とは動脈の壁が厚く硬くなった状態のことで、血管が狭くなって詰まったり裂けたりしやすくなります。

動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を引き起こす危険があるため、注意が必要で

動脈硬化については、以下の記事で解説しています。

動脈硬化とは?原因や病気のリスク、進行を防ぐポイントを徹底解説

2-2.中性脂肪が少ない場合の悪影響

中性脂肪が少ないと疲れやすくなったり肌や髪にトラブルが生じたりします

中性脂肪は体内に蓄積されたエネルギー源であるため、減り過ぎると疲労を感じやすくなったり、体温を維持できず低体温になったりする可能性があります。

また脂溶性ビタミンや必須脂肪酸がうまく吸収できなくなることから、体調不良を起こしやすくなったり髪や肌のつやが失われたりするといわれています。

特に女性は体脂肪が減り過ぎることでホルモンバランスが乱れ、月経異常や無月経につながる危険があります。

中性脂肪を減らしたいと考える方も少なくないかもしれませんが、痩せ過ぎには注意が必要なのですね。

痩せ過ぎについては、以下の記事で解説しています。

痩せすぎによる体への悪影響とは?健康的なダイエットのコツも紹介

3.血中中性脂肪の基準値

シリンジを持つ手袋をつけた手

「血液検査の中性脂肪の基準値って、いくつなんだろう?」

健康診断などで出される血中中性脂肪の値がピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんね。

血中中性脂肪が「空腹時採血」で150mg/dL以上、または「随時採血」で175mg/dL以上の場合に「高トリグリセリド血症」と診断されます[1]。

メモ
空腹時採血は絶食10時間以上で行われた採血[2]、随時採血は絶食10時間未満で行われた採血を指します[3]。

次の章で中性脂肪が高くなる原因について解説していきます。

[1] 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症

[2] 厚生労働省「「令和6年度以降における特定健康診査及び特定保健指導の実施並びに健診実施機関等により作成された記録の取扱いについて」の一部改正について

[3] 厚生労働省「第4期特定健診・高齢者健診検査項目(抜粋)

4.中性脂肪が増える原因

「中性脂肪が増える原因にはどんなものがあるんだろう?」

中性脂肪が増える原因について気になる方もいらっしゃるでしょう。

中性脂肪が体内で増加する主な原因は、エネルギーや糖質の摂り過ぎです。

また、運動不足や喫煙も中性脂肪が増える一因です。

それぞれの原因について詳しく解説します。

中性脂肪が高くなる原因

原因1 エネルギーの摂り過ぎ

エネルギー(カロリー)を摂り過ぎると中性脂肪が増加します

メモ
カロリーはヒトが食べ物などから摂取し生命を維持したり体を動かしたりするのに消費するエネルギーの量を表す単位です。

ヒトが摂取したエネルギーは生命維持や日々の活動で消費されますが、摂り過ぎて余ると中性脂肪に合成され、蓄積されてしまいます

エネルギー源になる栄養素には炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質の3種類があり、これらはまとめて「エネルギー産生栄養素」と呼ばれます。

炭水化物(糖質)は1g当たり4kcal、脂質は1g当たり9kcal、たんぱく質は1g当たり4kcalのエネルギーを産生します[4]。

脂質は特にカロリーが高いため食べ過ぎには気を付けてくださいね。

[4] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

原因2 糖質の摂り過ぎ

糖質の摂り過ぎは中性脂肪が多くなる原因です。

糖質とは
糖質とは炭水化物のうちエネルギー源になる物質です。

これは糖質は摂り過ぎると体内で脂質に変えられてしまうためです。

食事から摂取した糖質は「ブドウ糖」などに分解されて体内に吸収されます。

ブドウ糖が血中に吸収されると、それに反応して「インスリン」が分泌されます。

インスリンとは
膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンの一種です。血中のブドウ糖を細胞にエネルギー源として使わせることで血糖値(血中のブトウ糖濃度)を下げるはたらきを持ちます。

インスリンにはエネルギーとして使い切れなかったブドウ糖を中性脂肪に合成し、蓄えさせるはたらきもあります。

このため糖質を摂り過ぎると中性脂肪が増えてしまうのです。

糖質はご飯やパン、麺類などの主食類や、砂糖などを使った甘い食べ物に多く含まれます

原因3 アルコールの飲み過ぎ

アルコールの飲み過ぎも中性脂肪が増える一因です。

アルコールが肝臓に入ると、中性脂肪の材料である脂肪酸を作る「酵素」のはたらきが促進されます。

酵素とは
消化や吸収、代謝など、生命を維持するためのさまざまな化学反応に欠かせないたんぱく質のことです。

同時に、脂肪酸の燃焼を促すはたらきがある酵素の作用が抑制されます。

その結果、肝臓内に中性脂肪が蓄積し脂肪肝になってしまうのです。

また、肝臓内で作られ過ぎた中性脂肪は血液中にも漏れ出すため、血中中性脂肪値も上昇します

飲酒量が多ければ多いほど、中性脂肪の量も増加します。

加えてアルコールは1gあたり7.1kcalを産生する高エネルギー物質でもあり、飲み過ぎるとエネルギーの摂り過ぎにつながる危険もあるため気を付けましょう[5]。

[5] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)

原因4 運動不足

運動不足は中性脂肪の増加をもたらします

運動による消費エネルギー量が少ないと、食事から摂取したエネルギーが使い切れず体内に中性脂肪が蓄積してしまいます。

エネルギーの消費が少なくても、中性脂肪の上昇につながるのです。

原因5 喫煙

喫煙は中性脂肪の増加を招きます

これはたばこに含まれるニコチンが中性脂肪の材料である「遊離脂肪酸」を増やしてしまうためです。

遊離脂肪酸とは
エネルギーとして用いるために、蓄えられた中性脂肪が分解されて血中に溶け出した脂質の一種です。

遊離脂肪酸は消費されなければ肝臓で再び中性脂肪に合成され、血中中性脂肪値を上昇させます。

これにより喫煙は遊離脂肪酸を増加させ、結果的に中性脂肪の上昇を招くのです。

糖質の摂り過ぎや運動不足だけでなく、たばこを吸うことでも中性脂肪が増加してしまうのです。

5.中性脂肪を減らすためのポイント

「中性脂肪を減らしたいけど、どうしたら良いんだろう?」

「とにかく食べる量を減らせば中性脂肪は減るのかな?」

中性脂肪を減らしたいけれど、効率的な方法が分からないという方もいらっしゃいますよね。

この章では、中性脂肪を減らすためのポイントを六つ紹介します。

中性脂肪を減らすためのポイント

ポイント1 適切なカロリー制限を行う

中性脂肪を減らすには、摂取するカロリーを制限して適正な体重を目指しましょう

どれくらいの体重を目標とすれば良いか分からないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

目標体重を設定する際は、BMIを参考にすると良いでしょう。

BMIとは
肥満度を表すために用いられる国際的な体格指数です。[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出されます[6]。日本ではBMIが 18.5未満で「低体重(痩せ)」、18.5以上25未満で「普通体重」、25以上で「肥満」に分類されます[6]。

なお、厚生労働省は年齢に応じて目標とするBMIの範囲を定めています。

【BMIの年代別目標値】
年齢 目標とするBMI
18~49歳
18.5~24.9
50~64歳
20.0~24.9
65歳以上
21.5~24.9

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

この範囲に収まるよう目標体重を決定すると良いでしょう。

また、BMIをベースとして目標体重を計算する場合、[身長(m)の2乗]に目標とするBMIをかけることで求められます[7]。

目標とする体重が決まったら、ご自身が1日に摂取すべきエネルギー摂取量を計算してみましょう。

1日に必要なエネルギー量は年齢や性別、日常生活や運動でどの程度体を動かしているかを示す「身体活動レベル」によって変わります。

身体活動レベルは以下のような3段階に分かれています。

【身体活動レベル】
低い 生活の大部分を座って過ごし、体を動かす機会があまりない場合
普通 座って過ごすことが多いが、歩いたり立った状態で作業・接客したりすることがある仕事に就いている場合、または通勤や買い物で歩いたり、家事をしたり、軽いスポーツを行ったりする習慣がある場合
高い 移動したり立った状態で作業したりすることの多い仕事に就いている場合、または余暇にスポーツなどの活発な運動習慣がある場合

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

ご自身の年齢と性別、身体活動レベルから該当する体重1kg当たりの推定エネルギー摂取量をチェックし、目標体重と掛け合わせてみましょう。

【体重1 kg当たりの推定エネルギー必要量(kcal/kg/日)】
【表のタイトルを入れます】
男性 女性
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
18〜29歳
35.6
41.5
47.4
33.2
38.7
44.2
30〜49歳
33.8
39.4
45.0
32.9
38.3
43.8
50〜64歳
32.7
38.2
43.6
31.1
36.2
41.4
65〜74歳
32.4
36.7
41.0
31.1
35.2
39.3
75歳以上
30.1
36.6
-
29.0
35.2
-

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

例えば目標体重が60kgで、身体活動レベルが普通に当たる30~49歳男性の場合、摂取カロリーの目安は39.4(kcal)×60(kg)=2,364kcalとなります。

1日に必要なカロリーについては以下の記事で詳しく解説しています。

1日の適切な摂取カロリーは?体格や運動量に合わせた計算方法を解説

[6] 厚生労働省 e-ヘルスネット「BMI

[7] 厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康

ポイント2 炭水化物(糖質)の摂り過ぎを避ける

中性脂肪を減らすには、炭水化物(糖質)の摂り過ぎを避けましょう。

過剰に炭水化物を摂取すると、消費しきれなかった分はインスリンのはたらきによって中性脂肪として蓄積します 。

厚生労働省は炭水化物の「目標量」を1日の総摂取カロリーに対するたんぱく質から摂取するカロリーの割合(単位:%エネルギー)で定めています。

目標量とは
生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量として設定された基準です。

炭水化物の摂取目標量は、50〜65%エネルギーです[8]。

この割合を念頭に献立を立て、食生活を送るようにすると良いでしょう。

[8] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)

ポイント3 アルコールの飲み過ぎを避ける

アルコールは血中の中性脂肪を増やすため、飲み過ぎは避けましょう

アルコールを飲み過ぎると、肝臓で作られ過ぎた中性脂肪が血液中にも漏れ出るため中性脂肪値が上昇します

また、アルコールは1g当たり7.1kcalものエネルギーがあるため注意が必要です[9]。

厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」として、1日平均で純アルコール約20gにとどめるように推奨しています[10]。

純アルコールとは
お酒に含まれるアルコールの量(重量)のことで、グラム(g)で表されることが一般的です。[酒の量(mL)]×アルコール度数÷100×0.8で求められます[11]。

純アルコール20g相当の主なお酒の量は以下の図のとおりです。

純アルコール20g相当のお酒の種類と量

公益社団法人 アルコール健康医学協会「お酒と健康 飲酒の基礎知識」をもとに執筆者作成

なお、65歳以上の高齢者や女性はより少量の飲酒量が適当とされています[11]。

アルコールについては以下の記事でも解説しています。

アルコールを健康的に楽しむには?飲酒のリスクと適切な飲酒量を解説

[9] 厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコールのエネルギー(カロリー)

[10] 厚生労働省 健康日本21「アルコール

[11] 厚生労働省 e-ヘルスネット「飲酒量の単位

ポイント4 DHAとEPAを積極的に摂取する

中性脂肪値を改善するためには、DHAとEPAを積極的に摂取しましょう

DHAとEPAは不飽和脂肪酸の一種「n-3系多価不飽和脂肪酸」に属する脂質で、肝臓で中性脂肪をつくりにくくするはたらきがあります。

DHAやEPAはさばやさんま、いわし、ぶりなどの青魚に多く含まれています。

ただし脂質である以上カロリーが高いことに変わりはないので、適量を摂取するようにしてくださいね。

ポイント5 食物繊維を積極的に摂取する

食物繊維を積極的に摂取することで、中性脂肪を減らすことができます

食物繊維とは
食物繊維は炭水化物の一種で、体内の消化酵素では消化できない物質です。

食物繊維には便通を整える作用の他、脂質や糖などを吸着し体外へ排出するはたらきがあります

このため中性脂肪を減らし、肥満や脂質異常症を改善する効果が期待できるのです。

しかし、食物繊維は現在ほとんどの日本人にとって不足している食品成分です。

以下の厚生労働省の目標量を目安に、積極的に摂取しましょう。

【食物繊維の1日当たりの目標量】
年齢 男性 女性
18〜29歳
20g以上
18g以上
30~64歳
22g以上
18g以上
65〜74歳
21g以上
18g以上
75歳以上
20g以上
17g以上

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」をもとに執筆者作成

食物繊維は野菜類や豆類、きのこ類、海藻類、果実類などの植物性食品に多く含まれていますよ。

食物繊維については以下の記事で詳しく解説しています。

食物繊維とは?はたらきや摂取目標量、摂取源となる食べ物を解説

ポイント6 有酸素運動を行う

有酸素運動を習慣にすることでも中性脂肪を減らせます

有酸素運動とは
筋肉の負担が比較的小さな運動で、エネルギー源として脂質や糖質と共に酸素を消費するためこの名前で呼ばれています。ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロビクスダンス、水泳などが該当します。

有酸素運動は糖質や脂質を燃やすため、中性脂肪を減らすことができるのです。

また血液中の中性脂肪を分解する酵素のはたらきを活性化させる効果もあります。

脂質異常症の改善のためには、できれば毎日、最低でも週に3日は合計30分以上の有酸素運動を行うことが望ましいとされています[12]。

30分続けて運動することが難しい場合は短時間の運動を合計30分以上行う形でも構いません[12]。

中性脂肪を減らすに当たっては、この頻度を参考に有酸素運動の習慣をつけてくださいね。

[12] 厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症を改善するための運動

ポイント7 禁煙する

中性脂肪値を改善するためには、禁煙しましょう

喫煙をすると中性脂肪の材料である遊離脂肪酸が増加してしまいます。

また遊離脂肪酸は悪玉コレステロールの材料ともなるため、動脈硬化が進行するリスクも高まります。

メモ
悪玉コレステロールは正式には「LDLコレステロール」と呼ばれる脂質の一種で、肝臓でつくられたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っています。増え過ぎると動脈硬化を進行させ、生活習慣病の原因となることから悪玉コレステロールと呼ばれています。

加えて、喫煙は動脈硬化を抑制する善玉コレステロールを減らします。

禁煙することで血中中性脂肪値を改善させられると共に、動脈硬化の予防や改善にもつながるのですね。

中性脂肪に限らず、健康を考えたら早急な禁煙が必要だといえるでしょう。

6.中性脂肪についてのまとめ

中性脂肪は体脂肪の大部分を占める脂質の一種で、生命維持や活動のためのエネルギー源として欠かせない物質です。

しかし増え過ぎると肥満や脂質異常症につながり、動脈硬化を引き起こして心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクを高めます。

一方で少な過ぎるとエネルギーが不足し、疲労感や低体温、髪や肌のつやがなくなるといった影響があります。

このように、多過ぎても少な過ぎても、体に何らかの影響があるのです。

血液中の中性脂肪値は基準値が定められており、空腹時の採血で150mg/dL以上になると高トリグリセライド血症と診断されます[13]。

中性脂肪が増える原因にはエネルギーの過剰摂取や糖質やアルコールの摂り過ぎ、運動不足や喫煙などがあります

中性脂肪を減らすには、エネルギー摂取量を適切に制限し、糖質やアルコールを摂り過ぎないようにしましょう。

また食物繊維やDHA、EPAを積極的に摂取すること、習慣的な有酸素運動、禁煙なども有効です。

ご自身の生活を振り返り、中性脂肪が多くなり過ぎないよう意識して生活を送りましょう。

[13] 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2022年版)

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