「ダイエットがなかなかうまくいかないなあ。夜ご飯を抜いたら痩せるかな?」
「でも夜ご飯を抜くのはつらいな……。ダイエット中でも食べていい物ってなんだろう?」
夜遅い時間の食事がダイエットの大敵であることが知られているなかで、手っ取り早く夜ご飯を抜いてしまえば体重が減るのではないかと考える方も多いでしょう。
しかし、夜ご飯を抜くと翌朝までの長時間、空腹感を我慢するというつらい思いをしなければいけなくなってしまいますよね。
また、夜ご飯に限らず食事を抜くなどの極端な食事制限は、代謝が落ちたりリバウンドにつながったりする可能性も考えられます。
この記事では、ダイエット中の夜ご飯におすすめしたい食材や食べ方のコツなど、夜ご飯を抜かずに健康的にダイエットを成功させるポイントについて解説していきます。
ダイエット中の夜ご飯やそのレシピを考える際の参考にしてみてくださいね。
この記事を見ている人は以下の記事も見ています。
1.ダイエット中の夜ご飯におすすめの食品は?
「ダイエット中だけど、夜ご飯をおなかいっぱい食べたいなあ……。」
というのが本音ですよね。
カロリー控えめかつ満腹感を得られる、そんなダイエット中の夜ご飯にふさわしい食材にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、ダイエット中に積極的に摂りたい栄養素を含む食材を紹介していきます。
健康的なダイエットのためにはバランスのよい食事を摂ることが重要となるため、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1-1.食物繊維が多く含まれているもの
ダイエット中の夜ご飯には、食物繊維が多く含まれているものを選ぶのがおすすめです。
食物繊維は1g当たり0〜2kcal*1とカロリーが低いため、食物繊維を多く含む食べ物はダイエット中の夜ご飯に多めに摂り入れても安心だといえます。
また、食物繊維が豊富な食べ物を食べるにはよく噛むことが必要になります。
よく噛むことで早食いや食べ過ぎが防止できるとともに、満腹感を得ることにもつながるため、夜ご飯を食べ過ぎないためにはおすすめの食材といえるでしょう。
ヒトの消化酵素で分解されず、体内にも吸収されないという特徴を持つのが食物繊維です。
この食物繊維を多く含む食品には、野菜や豆類、穀類、海藻類、きのこ類などがあります。
なお、ダイエット中には敬遠されがちな「ご飯」も、精白度の低い胚芽米や玄米などを選ぶようにすると、カロリーには大きな違いはないものの食物繊維がしっかり摂れるようになります。
「ダイエット中も、夜はしっかりご飯が食べたい!」
という方はぜひ取り入れてみてくださいね。
ダイエット中には食事量が減り便秘がちになる場合もあるため、食物繊維を多く含む食品は便秘解消の観点からもおすすめの食材です。
食物繊維を多く含む食材のなかでも、ダイエット中に気軽に食事に取り入れやすいものを以下に紹介します。
【食物繊維を含む主な食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 | 加工状態など | 含有量(総量) |
---|---|---|
玄米 | 穀粒(生) | 3.0g |
胚芽精米 | 穀粒(生) | 1.3g |
精白米 | 穀粒(生) | 0.5g |
レタス | 生 | 1.1g |
キャベツ | 生 | 1.8g |
もやし | 生 | 1.3g |
ぶなしめじ | 生 | 3.0g |
えのき | 生 | 3.9g |
納豆 | - | 6.7g |
*1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
1-2.たんぱく質が多く含まれているもの
太りにくい体づくりのためには、筋肉量を維持し基礎代謝量を落とさないようにすることも重要なポイントです。
過激な食事制限によるダイエットは筋肉量の減少とそれに伴う基礎代謝量の低下を招き、痩せにくい体になってしまうのです。
そこで、筋肉量維持のために必要なのが「たんぱく質」を多く含む食品です。
たんぱく質は炭水化物、脂質と並んで「エネルギー産生栄養素」と呼ばれ、体のエネルギー源となるほか筋肉や臓器、皮膚などを作るもととなる栄養素です。
主に肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などに多く含まれており、健康な体を維持するためには必要不可欠な栄養素です。
「肉なんて食べていいの?」
と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
もちろん、脂質の多い部位、例えばバラ肉や鶏皮などはカロリーも高くなってしまうためダイエット中には避けたい食材です。
筋肉量を減らさないためには、脂質の少ない部位の肉や魚・卵など、たんぱく質を多く含む食材を積極的に取り入れるのがおすすめです。
ダイエット中にも取り入れやすいたんぱく質を多く含む食品の一例は以下のとおりです。
【たんぱく質を含む主な食品と可食部100g当たりの含有量】
食品名 | 加工状態など | 含有量 |
---|---|---|
鶏むね肉 | 生、皮なし | 24.4g |
豚もも肉 | 生 | 20.5g |
さけ | 生 | 22.3g |
さば | 生 | 20.6g |
卵(全卵) | 生 | 12.2g |
木綿豆腐 | - | 7.0g |
納豆 | - | 16.5g |
牛乳 | 普通牛乳 | 3.3g |
ヨーグルト | 全脂無糖 | 3.6g |
プロセスチーズ | - | 22.7g |
1-3.ビタミンやミネラルが多く含まれているもの
さらに夜ご飯に加えたいのがビタミンやミネラルを多く含む食品です。
ダイエット中は食事量を抑えることもポイントの一つであるため、ビタミンやミネラルの不足にも注意が必要です。
ビタミンは人体の機能を正常に保つのに欠かせない栄養素であるため不足するとビタミンの種類によって異なるさまざまな症状・病気が現れる可能性があり、ビタミンB1欠乏による脚気やビタミンC欠乏による壊血病などがよく知られています。
また明らかな病気とまではいかずとも、日常的に身体に不調をきたしてしまう場合もあるため注意が必要です。
現在の日本では食糧供給が不十分だった時代のような深刻なビタミン欠乏症はまれですが、無理なダイエットにより潜在的にビタミンが欠乏しているケースが増えていると考えられています。
またミネラルの不足にも注意が必要です。
特にダイエット中の女性に懸念されるのが鉄欠乏です。
鉄が不足すると、鉄欠乏性貧血や月経異常などを引き起こす可能性があります。
10歳以上の月経のある女性は多くの鉄を必要としますが、ダイエット中かどうかにかかわらず、女性の多くが鉄不足であることが指摘されています。
そのため、無理なダイエットを行うことによりさらに鉄欠乏が進行してしまう可能性も考えられるでしょう。
また、ここまで明らかな病気の発症とはいかないまでも、ビタミン・ミネラルの日常的な不足は何かしらの体調不良を招いてしまう可能性があるともいわれています。
鉄をはじめとしたダイエットによる欠乏に注意したいビタミン・ミネラルには以下のようなものがあります。
【ダイエットによる欠乏に注意したいビタミン・ミネラル】
- ビタミンD(きのこ類、魚介類、卵類など)……カルシウムの吸収に関与
- カルシウム(乳類、魚介類など)……ビタミンDにより吸収され歯や骨の構成成分となる
- 鉄(肉類、魚介類、海藻類など)……赤血球の主成分ヘモグロビンとなり酸素の輸送などに関与
ダイエット中の夜ご飯は、手っ取り早く同じものを食べ続けているという方も多いでしょう。
しかし、特定のビタミンやミネラルが不足しないように、ローテーションを組むなどして意識的にいろいろな食品を夜ご飯に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。
【関連情報】 「ダイエットの成功のカギを握る食事の基礎知識」についてもっと知りたい方はこちら
2.夜ご飯を抜かずに健康的に痩せるための5つのコツ
ダイエットの基本は摂取したカロリーよりも多くカロリーを消費することです。
「消費カロリーを増やすのは大変そうだし、摂取カロリーを手っ取り早く減らすために夜ご飯を抜いてしまおうかな……。」
と考えている方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。
しかし、食事を抜くことはリバウンドのリスクを高めるなどダイエットを妨げる要因の一つとなってしまいます。
ここからは夜ご飯を食べながら健康的に痩せるためのコツについて解説していきます。
コツ1 1日3食規則正しく食べる
日頃から気を付けるべきことですが、ダイエット中は食事を摂る時間を決め規則正しく3食を食べるようにしましょう。
食事と食事の間に長い時間が空き、空腹でいる時間が長くなると血糖値の急上昇を引き起こして脂肪をためやすくなってしまいます。
3食規則正しく摂ることで適度な食事間隔となり、血糖値の急上昇を防いで太りにくくなると期待できます。
また夕方以降はカロリーの高い物は避け、夜ご飯はなるべく早めに済ませておくのが理想的です。
遅い時間の食事はカロリーが消費されづらいため、体脂肪として蓄えられやすいといわれています。
また近年では遺伝子レベルの研究で夜遅くに食事を摂ると太りやすくなることが分かっているのです*2。
夜ご飯がどうしても遅くなってしまう方は、夕方に軽食を摂ると夜ご飯の食べ過ぎを防止できるので試してみてくださいね。
*2 農林水産省 みんなの食育「若者単身者編 夜遅く食事を摂るときは」
コツ2 昼食や間食を摂って夜ご飯の量を調節する
ダイエット中の間食を我慢している人も多いのではないでしょうか。
もちろん、ジュースやお菓子などは思いのほかカロリーが高く、ダイエットには不向きの食べ物です。
しかし、夜ご飯を食べ過ぎないための間食と考えれば話は別です。
一般的には1日200kcal程度が間食の適量である*3といわれているため、それを目安に間食を摂り、代わりに夜ご飯は控えめにすることを意識してみましょう。
食事ごとのカロリーを気にするよりも1日のなかでのカロリー調整を意識するようにすると、管理しやすくなります。
その点を踏まえると、もともと間食の習慣がない方などは昼食に好きなものをしっかりと食べるということも一つの方法かもしれませんね。
我慢するだけのダイエットでは長続きしません。
昼食や間食をうまく利用して、我慢がストレスとなることのない無理のないダイエットを心掛けていきましょう。
*3 厚生労働省 e-ヘルスネット「間食のエネルギー(カロリー)」
コツ3 ゆっくりよく噛んで食べる
ゆっくりとよく噛んで食べることもダイエットにつながります。
「早食いは太る」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。
私たちの体は食事を始めてから満腹だと感じるまでにある程度の時間が必要になります。
しかし早食いをすると満腹中枢が「満腹だ」と感じる前に食べ過ぎてしまうため、太りやすくなるのです。
そのためゆっくり食べることは食べ過ぎを防止できるといえるでしょう。
また、よく噛んで食べることも、ゆっくり食べることにつながります。
根菜類や雑穀米などの噛み応えのある食材を、意識的に食事に取り入れてみるのもおすすめです。
コツ4 野菜など食物繊維が多いものから食べる
食物繊維を多く含む食材はカロリーが低く多めに食べても安心であることや、よく噛むことで満腹感を得やすいといったメリットがあります。
さらに食物繊維には血糖値の急上昇を抑えてくれるはたらきもあります。
実は、この食物繊維の血糖値への作用を踏まえて、食べる順番を工夫することもダイエットには効果的なのです。
「ダイエットと血糖値って何の関係があるの?」
と疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。
食事に含まれる糖質が体内で分解されて生じるブドウ糖が血液中に取り込まれると、血糖値が上がります。
血糖値が上がると、それに反応して「インスリン」というホルモンが分泌され、血糖(血液中のブドウ糖)を細胞にエネルギーとして取り込ませ、血糖値を下げるはたらきをします。
インスリンは血糖値を下げると同時に、エネルギーとして使い切れず余ってしまったブドウ糖を体脂肪として蓄えるはたらきを促進する作用を持っています。
血糖値が急上昇するような食べ方をしてしまうと当然ながらインスリンの分泌も盛んになり、結果的に脂肪が多く蓄えられてしまうのです。
以上のことから、体が脂肪をため込むのを防ぐためには、血糖値を急上昇させないことが重要です。
効果のあるダイエットには、まずは食物繊維を多く含む野菜などから食べ始め血糖値の上昇を緩やかにすることも大切なポイントの一つといえますね。
コツ5 アルコールは控えめにする
晩酌の習慣があるという方も多くいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、お酒の飲み過ぎは肥満の要因として考えられるためダイエット中は控えめにした方が良いでしょう。
アルコール自体のカロリーは、体に蓄えられることなく消費されることから「エンプティーカロリー」とも呼ばれています。
だからといって「お酒は太りにくい」という考え方は、あまり良くないといえるでしょう。
ビールや酎ハイなど普段よく飲まれているお酒には、アルコール以外の糖質やたんぱく質由来のカロリーが含まれています。
そのため、お酒は「ノーカロリー」ではないことを意識しておきましょう。
また、アルコールには食欲を増進する作用があるため、つまみをたくさん食べ過ぎてしまいカロリーオーバーになってしまう可能性もあります。
そうはいっても、ダイエット中もたまには晩酌したいという方もいらっしゃるでしょう。
少量のアルコールにはリラックス効果もあるといわれています。
ダイエット中に飲酒する場合は、飲み過ぎに注意するほか、糖質の少ないお酒を選んだり低カロリーのおつまみを用意したりするなどして上手に楽しんでみてくださいね。
3.ダイエット中の夜ご飯についてのまとめ
ダイエット中の夜ご飯に、何を食べるかはとても重要です。
理論上、摂取カロリーを減らせば体重が減るということになります。
そうはいっても、夜ご飯を抜くなどの極端な食事制限では健康的な痩せ方ができるとはいえません。
ダイエットでは、バランスの良い食事や健康的な生活習慣を定着させ、太りにくい体づくりを目指すことが重要です。
夜ご飯を抜くことは考えずに、低カロリーの食材や健康的なダイエットのために必要な栄養素を含んだ食材をしっかり食べるよう意識しながら、ダイエットを進めてみてくださいね。
この記事でご紹介した食べ方のコツなども参考にしながら、健康的なダイエットで理想の体型を手に入れましょう。