「血行を促進させるにはどうしたら良いんだろう?」
「血行促進によって体にどんな影響が表れるのか気になる……」
と気になる方もいらっしゃるかもしれません。
血行とは、体内に血液が巡ることをいいます。
運動や入浴、マッサージなどで血行を促進させることで、冷えやむくみ、肩こりなどの不調の改善が期待できます。
この記事では血行を促進させる方法、血行促進による体への効果について紹介します。
また、血行不良となる原因や体への影響についても解説します。
体の不調が血行不良によるものかもしれないと思う方は、ぜひチェックしてくださいね。
1.血行を促進させる方法
そもそも血行とは、体内に血液が巡ることです。
血液には酸素や栄養素を体の末端まで運び、老廃物や二酸化炭素を回収するはたらきがあります。
血行が悪くなると酸素や栄養素が全身に行き渡らず老廃物が蓄積され、さまざまな不調を引き起こすことが分かっています。
つまり、血行促進は血行不良による影響を予防・改善する上で重要なのです。
「血行を促進させる方法にはどんなものがあるんだろう?」
このように具体的な方法を知りたい方もいらっしゃるでしょう。
血行を促進させる方法としては、入浴や運動、ふくらはぎのマッサージなどが挙げられます。
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その他に座りっ放しの姿勢、きつい靴や衣類の着用を避けることも、血行促進の効果が期待できます。
この章では、血行を促進させる方法について詳しくご紹介します。
方法1 水分を十分に摂る
血行を促進させるには、水分を十分に摂るようにしましょう。
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体内の水分は暑くても寒くても、汗や排せつなどにより失われます。
失った分の水分を摂取できていれば問題ありませんが、水分補給が足りないと脱水で血液が濃縮され血液の循環が十分に行われず血行不良となります。
また水分が不足すると熱中症などの健康障害を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
十分に水分補給をすることで、血液の流れが良くなり血行促進につながると考えられます。
水分補給をするポイントは、少量の水をこまめに飲むことです。
特に水分が失われやすい起床時、運動の前後、入浴の前後、就寝前に水分補給をしましょう。
水分補給について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
水分補給は1日にどれくらい必要?理想的な量や摂取のポイントを解説
方法2 入浴をする
入浴も血行を促進させる方法の一つです。
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湯船につかると体が温まり血管が拡張されることで、血行が改善されます。
さらに体の表面や皮膚の血管に水圧がかかるため、手足などの末端にたまっていた血液がポンプのように押し出され血行が促進されるといわれています。
なお湯船につかる際のお湯の温度は、体温よりも少し高いぬるま湯程度にすることがポイントです。
より効果を高めたい場合は入浴剤を使用するのも良いでしょう。
特に炭酸ガスが発生する入浴剤は、血管を広げて血行を促進させる作用が期待できます。
しかし湯船につかるのが良いと分かっていても、面倒に感じる方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、洗面器などにお湯をためて足湯をするだけでも血行促進の効果があるとされます。
自分に合った入浴方法を取り入れてくださいね。
方法3 運動をする
血行を促進させるには、運動をすることも有効です。
適度な運動をすると全身の血行が促進され、脳や心臓などの病気の予防につながるといわれています。
血行を良くするおすすめの運動として、ウォーキングなどの「有酸素運動」が挙げられます。
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ウォーキングは比較的軽く取り組みやすい運動で、肥満や生活習慣病などの予防・改善にも役立つといわれています。
ウォーキングに加えてストレッチも行うとより効果が期待できます。
ストレッチは筋肉を伸ばしたり関節を動かしたりする運動のことで、運動によるけがの予防や疲労回復にも役立つとされています。
運動前後にストレッチを行うと良いでしょう。
血行を促進するためには、ふくらはぎなどの下半身の筋肉を鍛えることも重要です。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、ポンプのように血液を上半身に押し上げるはたらきがあります。
そのため、ふくらはぎを中心に鍛えることで全身に血液を巡らせることができます。
ふくらはぎを鍛えるのにおすすめの筋トレメニューは以下でご紹介しています。
ふくらはぎに効く筋トレメニューは?鍛えるメリットやポイントを解説
なお運動時間がとれない場合は、エレベーターではなく階段を使うなどしてふくらはぎの筋肉を使う時間を増やすと、血行の促進につながりますよ。
方法4 ふくらはぎのマッサージをする
ふくらはぎのマッサージをすることも、血行促進につながります。
ふくらはぎの筋肉は血液を循環させる上で重要なはたらきを持ちます。
血液は心臓から押し出されさまざまな血管を通って心臓に戻ります。
下半身の血液は体の下に位置しているため、重力に逆らって上にある心臓に戻る必要があります。
そこでふくらはぎの筋肉が血液を押し上げることで、心臓に血液を戻し全身に巡らせています。
つまり、血行を促進させるにはふくらはぎの筋肉を動かすことが重要なのですね。
ふくらはぎを動かす方法として運動が有効ですが、ふくらはぎのマッサージも効果が期待できます。
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ふくらはぎをもむことで、ふくらはぎのポンプのような役割をサポートし全身の血行が良くなるとされます。
より効果を高めたい場合は、湯船につかりながらマッサージを行うと良いでしょう。
ふくらはぎのマッサージは椅子に座りながらでもできるため、隙間時間にも取り組めそうですね。
なおふくらはぎのマッサージ以外に、耳や指先をもむことや、足の指を開いたり閉じたりすることなども血行を促進させる作用があるといわれています。
ふくらはぎや体の末端を刺激することは血行促進につながるのですね。
方法5 座りっ放しの姿勢を避ける
座りっ放しの姿勢を避けることも重要です。
座りっ放しの状態でいるとふくらはぎの筋肉を動かさないため、血液が循環されにくく心臓などの病気のリスクが高まります。
座り過ぎを避けるには、定期的に立ち上がることがポイントです。
立ち上がることで、ふくらはぎの筋肉を動かし血行を促進させることができます。
トイレに行ったりお茶を入れに行ったりして、こまめに立つように心掛けましょう。
方法6 きつい靴や衣類を避ける
血行を促進させるには、きつい靴や衣類を避けることも効果的です。
ハイヒールや補正下着などで体を締め付けると、血行が悪くなることがあります。
むくみや冷えなどが気になる方は、ゆったりとした服を選びベルトをきつく締め付けないことがポイントです。
また靴は、スニーカーやサンダルなどの動きやすいものにすると良いでしょう。
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そうはいっても、通勤時に楽な靴を履くのが難しい方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、オフィスなどで仕事をする際に靴を履き替えるなど工夫してみてくださいね。
2.血行促進による体への効果
「血行を促進させるとどんな効果があるんだろう?」
このように気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
血行促進は血行不良による影響を予防・改善する効果が期待できると考えられています。
ここからは血行を促進させることによる具体的なメリットをいくつか紹介しましょう。
まず血行促進による体への効果として、冷えの軽減が挙げられます。
血液は体の末端に酸素や栄養素だけではなく熱を運ぶはたらきもあります。
血液の巡りを良くすることは、手足に熱を与えることにつながるのですね。
また血行を促進させることで、「むくみ」の改善にもつながります。
むくみは運動不足やストレスなどによって血流が滞り引き起こされるといわれています。
体内に余分な水分をため込まないためにも、血行を促進させることが重要といえますね。
その他には、肌のシミや乾燥の改善などの美容効果が期待できると考えられています。
日頃から冷えやむくみなどに悩む方にとって、血行促進による効果はうれしいポイントですね。
3.血行不良の原因
「血行不良になる原因を知りたい……」
血行不良を引き起こす原因について知りたい方もいらっしゃるでしょう。
血行不良を招く原因としては、運動不足や水分不足、窮屈な衣類や靴による圧迫などが挙げられます。
運動には血行を促進させる作用があるため、運動不足になると血行不良を引き起こしやすいと考えられています。
特にデスクワークなどで同じ姿勢を長時間続けていると、血行不良によりむくみや肩こりが起こりやすくなります。
水分不足も血行に悪影響を及ぼします。
体内の水分が足りなくなると、全身に血液が巡りにくくなります。
特に高齢者は脱水状態になりやすいため、注意が必要です。
夏場などの気温が高い場合も汗を大量にかいて水分不足となる恐れがあります。
また、ウエストのきつい衣服や爪先が細い靴などは体を締め付けて血行不良を引き起こすとされています。
さらにストレスも血行不良の原因の一つです。
ストレスがかかると血液循環をコントロールしている「自律神経」が乱れ、血行に悪影響を及ぼすことがあります。
その他に喫煙も血行不良を引き起こすといわれています。
たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させ血流を悪くし、その結果、酸素や栄養素が全身に行き届かなくなる恐れがあります。
このように生活習慣が血行不良の原因になることがあるのですね。
4.血行不良による体への影響
血行が悪くなると、酸素や栄養が全身に行き届かず老廃物が蓄積されさまざまな体の不調を引き起こします。
「血行不良になると、どんな症状があるんだろう?」
「もしかしたら、この不調は血行不良のせいかな?」
血行不良が原因となって起こる症状を知っておきたいですね。
この章では血行不良による体の不調について解説します。
影響1 冷え性
血行不良による体への影響として、冷え性が挙げられます。
冷え性は手足の先端が慢性的に冷えて、温まりにくい状態のことを指します。
特に女性は冷え性に悩んでいる方が多いでしょう。
血液は体温を調節するはたらきがあるため、血行不良になると体の末端に十分な血液が行き届かず冷えにつながります。
全身が冷えると、風邪、頭痛、目まい、下腹部痛などを引き起こす可能性があります。
少しでも冷えに悩んでいる場合は、できるだけ早めに対処したいですね。
影響2 むくみ
血行不良は、脚のむくみを引き起こす原因となります。
夕方になると脚がむくんで靴がきつくなる方がいらっしゃるかもしれません。
下半身の血液はふくらはぎの筋肉を動かすことで全身に巡りますが、座ったままの姿勢や立ったままの姿勢を長時間続けていると、ふくらはぎの筋肉が動かず血流が滞ります。
血液の流れが悪くなると、血液中の水分が血管から周囲の組織に染み出し、組織の間にたまることでむくんだ状態になります。
これは飛行機などに乗っても起こり得ることで、長距離移動で座り続ける場合は注意が必要です。
なおむくみは同じ姿勢で長時間過ごすこと以外に、運動不足や睡眠不足、ストレスなどによっても引き起こされます。
むくみについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
影響3 肩こり・腰痛
肩こりや腰痛も血行不良によって引き起こされる症状の一つです。
肩こりは肩から背中にかけて不快感や緊張感を生じる状態をいいます。
筋肉に沿って流れる血流が停滞することで、筋肉の老廃物が蓄積し血管が圧迫されて発症するといわれています。
一方で、腰痛の原因の一つに血行不良で筋肉がこわばることで血管が圧迫されることがあると考えられています。
どちらも長時間同じ姿勢を続けたことによる影響が大きく、放置しているとさらに痛みや不快感が増すため早めに改善することが重要です。
肩こりや腰痛に悩んでいる方は、原因の一つとして血行不良を疑ってみるのも良いかもしれませんね。
肩こり、腰痛について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
つらい肩こりはなぜ起こる?原因や予防方法、対策について詳しく解説
つらい腰痛の原因とは?気になる予防法や対策も分かりやすく解説!
影響4 眼精疲労
目の血管の血行が悪くなると、眼精疲労を引き起こすことがあります。
血行不良になると目の周りにある筋肉が緊張し、しょぼしょぼしたりかすんだりします。
慢性化すると頭痛や肩こり、視力低下につながる可能性があります。
目の血行不良は、パソコンやスマートフォンの画面を見続けたり長時間読書をしたりすると起こりやすいとされています。
目の使い過ぎに注意したいですね。
影響5 肌トラブル
血行不良は肌トラブルの原因にもなります。
血流が滞ると肌に必要な栄養素が行き届かなくなります。
そのため新しい肌に入れ替わる「ターンオーバー」が乱れ、肌荒れ、乾燥、シミなどの肌トラブルが起こるとされています。
さらに肌の色がくすんだり目の下にクマができたりして、不健康な印象の肌になってしまう場合もあるのです。
健やかな肌を維持するためにも血行促進は重要といえますね。
影響6 抜け毛
頭皮の血行が悪くなると抜け毛に悩まされることがあります。
頭皮の血行不良により、髪の毛をつくる毛根に栄養素が行き届かなくなります。
この状態が続くと髪の成長が止まるため、成長途中のままの毛が抜けてしまうのです。
通常頭皮の色は青白い色をしていますが、血行が悪くとなると黄色に近い色になりさらに悪化すると赤茶色になるといわれています。
頭皮の血行不良は色でチェックできるのですね。
抜け毛が気になる方は頭皮の色をチェックしてみると良いでしょう。
影響7 血管系の疾患
血行不良は血管の病気を引き起こす場合もあるため、注意が必要です。
血行不良が原因となる病気として、「下肢静脈瘤(りゅう)」と「エコノミークラス症候群」が挙げられます。
下肢静脈瘤とは、静脈という血管内に血液がたまることで脚の静脈が太くなりこぶ状に浮き出て見える病気です。
脚の静脈にある血液はふくらはぎの筋肉が収縮することで、押し上げられ心臓に戻ります。
しかし、運動不足や静脈弁の機能の低下などによる血行不良で静脈内に血液がたまることで、静脈壁にかかる圧が高まり血管がこぶ状に膨らむ「静脈瘤」ができるのです。
下肢静脈瘤を引き起こすと、脚に痛みやかゆみ、だるさ、むくみなどの症状が現れます。
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、症状が続くと皮膚がもろくなったり出血したりするため早めに治療すると良いでしょう。
一方でエコノミークラス症候群は命の危険があるため、より注意が必要です。
エコノミークラス症候群は脚の血行が悪くなることで静脈の中に血栓という血の塊ができ、それが詰まってしまう病気で、正式には静脈血栓塞栓(そくせん)症といいます。
「旅行者血栓症」とも呼ばれており、長時間にわたり飛行機の狭い座席に座っていることで引き起こされると知られています。
しかしエコノミークラス症候群は飛行機だけではなく、長時間座席に座る移動、デスクワーク、劇場や映画館などでも発症する場合があります。
飛行機内と同じような環境であれば、エコノミークラス症候群を引き起こす可能性があるのですね。
なおエコノミークラス症候群では太ももや膝の中心などを通る深部静脈に血栓ができる「深部静脈血栓症」を発症すると、脚のむくみや痛み、違和感が生じることがあります。
血栓ができた状態で脚を動かすと血栓が肺の血管に詰まって「肺血栓塞栓症」を引き起こし、胸痛や呼吸困難などの症状が現れ、最悪の場合死に至るリスクもあります。
血行不良による影響は命に関わる可能性もあるため、日頃から血行を促進させて予防に取り組みたいですね。
5.血行促進についてのまとめ
血行促進は全身に血液を巡らせて健やかに過ごす上で重要です。
血行を促進させるためには、入浴や運動、水分補給、ふくらはぎのマッサージなどが有効とされています。
また、きつい靴や衣類、長時間の同じ姿勢などを避けることでも血行の促進が期待できます。
これらの方法を取ることで、血行不良によって引き起こされる症状を改善する効果が期待できます。
なお血行不良は運動不足、水分不足、ストレスなどが原因で生じます。
血行不良となると、冷え性、むくみ、肩こり・腰痛、眼精疲労などのさまざまな症状が引き起こされます。
また命に関わる可能性があるエコノミークラス症候群を招く場合もあるため、注意が必要です。
血行不良の影響で悩んでいる方は、血行を促進させる生活習慣を取り入れるようにしてくださいね。