棘上筋とは、肩関節を安定させるための筋肉群である「ローテーターカフ」の一つです。ローテーターカフとは、肩甲骨から上腕骨の上部までを覆う筋肉のことで、棘上筋の他に「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」という4つの筋肉で構成されています。

棘上筋は、腕を横に上げる動作をサポートする役割を担っています。ボールを投げるときの動作をイメージすると分かりやすいでしょう。棘上筋を鍛えると、肩関節を安定させやすくなり、関節の損傷や脱臼といったけがを防ぎやすくなります。

棘上筋を鍛えるトレーニングとして一般的なのが「うつぶせ水平外転」です。これは、床にうつぶせになって行うトレーニングで、専用の器具がなくてもできます。腕を90度に広げ、両腕を床から上げて肩甲骨に近付け、ゆっくりと元の位置に戻すという流れなので、初心者の方でも簡単に行えるでしょう。

より強度の高いトレーニングで棘上筋を鍛えたい場合は、ジムに通うことをおすすめします。ダンベルやハンマーなどのウェイトを利用して行う「スキャプションショルダーレイズ」や、ケトルベルなどを使う「片腕ミリタリープレス」などが棘上筋の強化に有効です。トレーナーにも相談しながら、目的に合ったトレーニング方法を選びましょう。