パワーハウスとは、腹横筋や多裂筋、骨盤底筋、横隔膜で構成された体幹部のことです。ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティス氏による独自の表現であり、現代では「インナーユニット」と呼ばれることもあります。

人間の上半身は「胸腔」と「腹腔(体幹)」に分けられ、胸腔は胸椎や肋骨などの頑丈な骨に囲まれているため、構造が安定しています。一方の腹腔は、骨盤の上に腰椎があるだけなので、胸と比較して不安定です。

腰痛が起こりやすいのはそのためと考えられており、腰痛を予防するためには、パワーハウスが機能するように訓練する必要があるとされています。

パワーハウスを機能させる上で重要なのは、アライメント(姿勢)に意識を向けることです。使われる筋肉は姿勢によって変わるといわれており、正しい姿勢をとることによって、鍛えたい筋肉を効率良く鍛えやすくなります。

また、ピラティスでは、パワーハウスを安定させてから動き出すことも大切といわれています。そのため、あらかじめジムで体幹を鍛えるトレーニングを行うと、ピラティスのエクササイズにも相乗効果が生まれるでしょう。体幹を鍛える際は、ジムに設置されている「バトルロープ」などの器機を使うと効果的です。